自分の生み出している価値を意識してますか?
こんにちは!超生産性チャンネルの「やすまる」です!
このブログでは、仕事における生産性を格段に向上させる情報を発信していきます
あなたは今の仕事がどれほどの価値を生み出しているか意識したことはありますか?
私がコンサルティング会社に勤務して最初に言われたことは、「自分自身の販売金額を意識して仕事をしろ!」という言葉です
コンサルティング会社は人を貸す商売なので、「1か月あたりの契約単価」×「稼働率(1日8時間労働で4時間稼働したら稼働率は50%)」×「契約期間」の価格でクライアントへサービスを提供します
例えば、クライアントの業務支援に300万円/月の人材が90%稼働で3か月間支援した場合は以下の金額になります
クライアントとの契約金額=300万円×90%×3カ月=810万円
通常一人だけでプロジェクトに入ることは少なく、複数人で入ることが一般的なので、この金額に加えてさらに人数分の金額が掛け合わされます
なので、コンサルティング会社のプロジェクト金額は1回あたり2,000万円、3,000万円を超えることはざらです
「みなさんはこの金額を見て、かなり高額に思いませんか?」
私はこの金額感を聞いたときに「え?こんなにするの?家が買えるじゃん!」って正直思いました
それとともに、「自分がクライアントであれば、その金額に見合う価値を提供してくれなければ、二度と契約はないだろうな」と感じたことを今でも覚えています
逆に言えば、その金額以上の価値を提供することができれば、継続して契約をしてくれるんですが…
なのでコンサルタントとして、そのような環境下で意識しなければならないのは、時間当たりに生み出される価値=生産性です
この生産性を上げていくためには、1分1秒を無駄にすることなくしゃかりきに働くことも大事ですが、それ以上に何をやめて、何をするかを決めることが最も重要です
それを教えてくれるのが今回ご紹介する書籍「イシューからはじめよ」です
書籍紹介
今回は、安宅和人著『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」』をご紹介します
著者の安宅和人さんは、有名な戦略コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー出身で脳神経外科の博士、さらに現在ではヤフーとLINEが統合したZホールディングスのシニアストラテジストを務める超エリートです
そんな安宅和人さんが生産性の高い人とそうでない人について語ったのが本書
本書は、様々な人の推奨書籍になっており、YouTubeでも多くのYouTuberが本書について紹介しています
そんな必読書を、私の今までのビジネス経験も交えながら私なりに解説していきます
要点
私見を交えて、本書の要点をざくっと以下の3つにまとめました
- 生産性を高めるカギは「イシューを見極める」こと
- よいイシューの条件は、「深い洞察があり本質的」「解決可能」の2つ
- よいイシューを特定するためには「仮説構築⇔仮説検証」を繰り返す
生産性の高い仕事とは?
生産性は、以下の式で表すことができます
生産性=(生み出された成果)÷(投下した労力・時間)
つまり、生産性を高めるためには、投下する労力・時間を減らしつつ、多くの成果を生み出す必要があるということです
しかし、世の中には無駄なやり取りや会議で大切な時間を消耗したり、昔からの慣習などで何の目的か分からないような成果の出ないタスクが少なからず存在します
上記のようなものであれば、すぐに対処し改善することは可能ですが、難しいのは一見して価値があるように見えるがふたを開けたら価値がなかったと判明するような仕事です
例えば、ビジネスではなですが「うさぎ跳び」という筋力トレーニング
昔は野球部を中心に行われていましたが、多くの負傷者を出したことで禁止となっており、現在ではケガの原因にとながるだけでその効果はほとんどないと今では否定されています
このように「なんとなく価値がありそう」という認識で、このように間違った対応をすれば、成果が出ないだけならまだしもマイナスになる可能性もあります
知的生産性を求められる仕事では、このような結果にならないようにバリューのある仕事を見極め、取り組むことが最も重要です
では、バリューのある仕事に取り組むためにはどのようにすればよいか?
そのためには、まずこの図を見てください
上記のマトリクスの横軸の「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」を意味します
そして、縦軸の「解の質」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」を意味します
この2軸の観点で見たときに右上の象限に入るのが、「バリューのある仕事」です
上記を踏まえて、最初の「バリューのある仕事に取り組むためにはどのようにすればよいか?」に対する答えは、「①質の高いイシューを見極め」かつ、質の高い解を導き出すための「②解の徹底した磨きこみ」することです
右上の「バリューのある仕事」を目指すうえで、通ってはならないのが左上の「犬の道」です
一心不乱にとにかく与えられた大量の仕事を処理して右上に行こうとするケースが、まさしくこの道です
一昔前の大量生産大量消費時代に求められた動きであり、昨今の働き方改革の動き対して、真っ向から反対する考え方です
今の時代このやり方をしていても、ただただ疲弊するだけで多くの場合は価値を生み出せません
また、この道での成功体験しかない人が上司だと、このやり方しか部下に教えることができないので、組織としてもサステイナブル(持続可能)ではありません
生産性の高い人のアプローチ
生産性の高い仕事について説明をしてきたが、ではどのように取り組めば高い生産性を実現できるのか?
その方法を語る前に、生産性の低い人のアプローチを紹介します
- 与えられた課題・テーマに対して、やり方が分からず途方にくれる
- とりあえず情報を集める
- さらに追加情報を集める
- 集めた膨大な情報を整理できず再び途方にくれる
上記は極端な例かもしれないが、生産性に低い人はとにかく行動から始めます
やってみないと分からないという場合もありますが、闇雲に行動しているだけでは、ほとんどの確率で成果が生まれません
逆に生産性の高い人はどのようなアプローチをとっているのか?
- 解くべき価値のあるイシューを特定する
- そのイシューを解く方法を仮説ベースで設定する
- 必要な情報を集めて、仮説検証を行う
- 検証結果をメッセージとして磨きこむ
生産性の高い人は、前章でも述べたように、解くべき価値のある質の高いイシューを特定することから始めます
さらにそのうえで、闇雲に情報を集めず仮説ベースで必要な情報を定義して、そこで初めて情報収集に取り掛かります
生産性高い人と低い人の根本的な違いは、「考える」量です
生産性の高い人は、悩んでいる暇があれば、とにかく考えることに時間を費やします
「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること
「考える」=「答えがでる」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること
例えば、「こんなに頑張っているのに上司に全然評価されない」と悩んでも、その状況が解決されるわけではありません
ただ居酒屋でひたすら不満や愚痴を言って終わるだけ
そうではなく、評価される人と評価されない人との違いを冷静に考えれば、「上司とのコミュニケーションの回数」「業務改善の提案頻度」「同じ部署のメンバーのケア」など評価してもらう糸口が見えてくるはずです
さらに、場合によっては自ら「今期は○○という基準で評価してください」と評価自体の基準を上司と握るという手もあります
このように考えることで、いくつかの選択肢が導き出されます
もし10分以上考えても何も浮かばない状況であれば、それは悩んでいる可能性が高いです
その場合は考えることを一旦休んで、誰かに相談するとか、本で参考情報を調べるなど、再び考えれるような状態を作り出すことが肝要です
イシューを見極めることの重要性について知っていただいたところで、次は「よいイシュー」とはどのようなものかをお伝えします
よいイシューとは、[1]深い洞察に基づいた本質的なイシューであり、尚且つ[2]解くことができるイシューです
[1]深い洞察に基づく本質的なイシュー
本質的なイシューとは、「全体に影響を与えるイシューの中でも、その根本となるイシュー」を意味します
つまり、表面的ではなく、考えに考えられた深い洞察があり、なおかつ大きな影響を与えるものであると言えます
例えば、あるカフェチェーンの全体売上が下がっているという問題に対応する場合
全体の売上低下要因を<1店舗当たりの売上>が下がっているのかそれとも<店舗数>が減っているのかで因数分解できます
さらに<1店舗当たりの売上>が下がっていれば、来店する<客数>が減っているのか、もしくは<顧客一人当たりの客単価>が下がっているのか
さらに<客数>が減っていれば、<新規客数>が減っているのか、もしくは<既存客数>が減っているのかを調べます
このように深堀することで、先のアクションの方向性が大きく変わるような発見ができます
(実際のビジネスでは、さらにそこから追及を重ねより深い洞察を得るところまで行う)
もし途中までしか深堀が出来ていないと、思い付きによる客単価UP施策やリピート率UP施策を実施してしまいます
効果が無いとは言い切れませんが、本質的なイシューではないところに力を割いても一時的な効果であったり、もしくは全く効果が無い結果に繋がってしまいます
なので、脳みそから汗をかくくらいイシューを追及し、大きなインパクトを与えるような本質を見極めることが重要です
[2]解くことが可能なイシューである
どんなに本質的なイシューだとしても、それが解決できないものであれば特定しても意味がありません
何の価値も生み出さず、事実として理解するのみに終わってしまいます
そこから解決策を導き出し、実行に移すことで初めて価値が生まれるわけです
前述の「よいイシューの条件」を満たす良質なイシューを特定するためには、どのようなアクションが必要だろうか?
例で挙げたカフェチェーンのイシュー分解のような結論を導き出すために、手始めに多種多様な多くのデータを集める必要があるだろうか?
たしかに、情報化社会の現代においては膨大かつ多種多様なデータを集めやすい環境は整ってきています
そして、そこから今まで気づいていなかった発見をする可能性もあります
しかし、そのようなアクションは「砂漠の中から一粒のタイヤモンドを探す」ことに等しい
本質に辿り着くまでには、膨大な時間と労力、そして分析処理を実行するためのマシンパワーを費やさなければなりません
では、「よいイシューを特定」するためにどのようなアクションをとるべきでしょうか?
それは[1]仮説構築→[2]仮説検証のサイクルを高速で回すことです
[1]仮説構築
闇雲に情報を集めてもそのほとんどが使われず、そこにかかった時間・労力・お金などのコストが無駄になってしまいます
その無駄を極力排除し、生産性高くイシューを特定するためには仮説から始めることがとてつもなく重要です
仮説を構築してから、その後に仮説から導出された観点に即した情報のみを集めれば無駄がありません
仮説構築の最初のステップは、イシューの分解です
具体的なイメージとしては、カフェチェーンの例のような因数分解の絵をイメージするとよいです
その際に、なぜを5回繰り返す「なぜなぜ分析」を行うと本質に近い洞察が得られるのでオススメです
また、その分解する観点を導出するのに5W1H(When,Where,Who,What,Why,How)を意識すると深堀しやすくなります
本書では、「Where,What,How」でと書かれていますが、私としては5W1Hまで広げた方が観点が増え、思考が深まりやすくなるので5W1Hがオススメです
次のステップは、イシュー分解によって導き出された観点を用いて最終的に答えを出すべきイシューの道筋をストーリーで示します
なぜこのステップが必要かと言うと、他人に説明し理解してもらうためには断片的な情報伝達ではなく、ストーリーで説明しないと理解してもらえないからです
また、ストーリーを組み立てることで分解されたイシューがロジカルであるか精査もできます
ストーリーの組み立て方は、大きく2パターンです
①空・雨・傘
②根拠の並び立て
①空・雨・傘は、[事実]→[判断基準]→[判断結果・結論]という順番で話す構成です
[事実]”空”が良く晴れていて雲一つない
[判断基準]雲が多ければ”雨”が降る確率が高く、雲が少なければ”雨”が降る確率は低い
[判断結果・結論]雲一つないので雨が降る確率は低い。よって、”傘”を持っていく必要はない
上記のように話すと、結論に至った背景が分かりやすい
②根拠の並び立ては、[結論]を説明する上で、その根拠を並列で述べる構成です
[結論]ドラム式洗濯機を買うべきである
[根拠A]乾燥まで全自動で行われるので、干す手間が無くなる
[根拠B]今の洗濯機より節水になる
[根拠C]セールによって、お手頃価格で売り出されている
上記のように理由を並べることで、一定の納得感を持たせています
ちなみに普段説明する際によく使うのは①空・雨・傘のパターンで説明する方が多いです
[2]仮説検証
仮説ベースでのストーリーが作れたら、そのストーリーが本当に成り立つのか?を事実ベースで検証する必要があります
本質的なイシューを導くストーリーが構築できていれば、そのストーリーを補うために必要な観点が導出されているはずです
その観点こそが、この後実行する情報収集のステップで集めるべき情報です
カフェチェーンの例で言えば、<全体の売上金額><1店舗あたりの売上><店舗数><客数><客単価><新規客数><既存客数>のデータが<過去3年分以上>必要になることが分かります
必要な情報を洗い出すことができたら、続いてはそのデータを集めなければなりません
その際に気を付けなければならないのは、データの「信憑性」です
データが間違っていれば、真のイシューを特定できないだけでなく、間違ったイシューを導き出してしまいます
なので、なるべく何も加工されてない情報。つまり、一次情報が良いです
一次情報とは、アンケート調査・実験・ヒアリング・システムログなど、何も加工されていない状態で直接入手された情報(生データ・raw data)
二次情報とは、一次情報を加工した情報(集計表・グラフなど)また間接的に入手した情報
一次情報を集めるメリットは信憑性だけでなく、収集過程で今まで気づかなかった新たな発見をすることもメリットです
例えば、野球観戦の面白さをいくら他人から聞かされても、他人の言葉から得られた情報では本当の意味での面白さの理解は難しいです
実際にその場に行って、会場の温度感や声援、ボールを打つ時の音などを五感を総動員することで、真の面白さを初めて理解できます
[3]仮説が間違っていたら仮説を再設定
仮説検証の結果が想定通りであれば良いですが、当初設定した仮説が100%正しいことは滅多にありません
ひどいときには全く違う場合もあります
なので検証結果を踏まえて仮説の修正を行い、よいイシューをしっかり見極めていく必要があります
これを高速で回すことで、短時間で質の高いイシューの特定また、その先にあるビジネスバリューを生み出すことが可能となります
改めて本書の要点は以下の3つです
- 生産性を高めるカギは「イシューを見極める」こと
- よいイシューの条件は、「深い洞察があり本質的」「解決可能」の2つ
- よいイシューを特定するためには「仮説構築⇔仮説検証」を繰り返す
本書は他にも、イシューを特定した後にどのように質の高い「解」を構築し、メッセージを伝えていくかまでを詳しく解説していますので、知りたい方はぜひ本書をお買い求めください!
また、他にも問題解決やロジカルシンキングの参考書籍を紹介しますので、もし良ければこちらもお買い求めください