①毎日、その日1日で優先すべきタスクを3つに絞り、シングルタスクを徹底する
②生産性を上げるためには、時間だけでなく、活力と集中力の管理が必要
③適切な食事(腹八分目・水を飲む)・習慣的な運動・8時間睡眠を行う
リモートワークなどの環境下で、部下の動きが見えなくなり、実際の成果物や達成度で評価する傾向が強くなってきた
これにより、遅くまで残業することのみによって評価されてきた人種はどんどん淘汰されていくようになる
つまり、実際の生産性を上げることが、ますます重要になってきたわけである
全てのタスクが重要なわけではない
時間をかければ、目標に近づいていくタスクがある一方で、どれだけ時間を割いても一向に目標に近づかないタスクもある
目標から逆算しながら、それらタスクの重要度を見極めて、自分にとって本当に価値のあるものに注力しなければ大きな成果は得られない
では、どのように重要なタスクを見極めるのか?
みなさんは、「パレートの法則」という言葉をご存知だろうか、これは別名「80:20の法則」とも呼ばれており、自然界の様々な事象において、80%の数値は、20%の要素で構成されているというものだ
この法則を用いると、あなたの80%の成果は、20%のタスクによって作られているということになる
つまり、10個タスクがあるのであれば、2個のタスクだけに取り組んだだけでも、現状の80%の成果は出せるということである
では、具体的にどの様に進めるのか?
①仕事でやるべきタスクをリストアップする
②リストの中から最大の効果が見込めるものを自問自答しながら精査し、重要で価値のあるタスクを一つ選ぶ
③同様に2つ目、3つ目のタスクを自問自答しながら選択する
ちなみに、なぜ3つなのか?
本書では、<三の法則>ということで、科学的な根拠は語られていなかった
しかし、私はこれに科学的根拠があると考える
人間のワーキングメモリーは一度に4つまでしか処理ができないということが米ボストン大学の研究で発表されている
つまり、1日に行うタスクを5個以上にすると、1つ以上のタスクは記憶から忘れ去られてしまい、再びメモを見ないと思い出せないということだ
これだと思い出すという時間が必要であり、無駄が発生してしまう
さらに1つ分を余裕を持って、3つまでとしておけばタスクを管理することは容易になる
マルチタスク作業者は、余計な情報に気を取られミスをしがちで、必要な情報をうまく蓄積・整理できず、記憶力も低下し、タスクの切り替えにも時間がかかるため仕上げるまでに時間がかかることが分かった
つまり、マルチタスクにメリットはなく、単純に作業効率を落とすだけである
しかしながら、マルチタスクが厄介なのは、常に何かしらの刺激を受け続けるため、脳が錯覚し、やった気になってしまうことだ
本当は何もできていないのに…
ここでは述べられていないが、シングルタスクの成果を100とすると
2つのタスクを実行した場合は、各タスクの成果がそれぞれ40(合計80)、タスクの切り替えによる損失20
これが5つになると、各タスクの成果がそれぞれ5(合計25)、タスクの切り替えによる損失75となる
つまり、ほとんど目標を達成できないということになる
参考書籍「スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術 (早川書房)」より
重要度が低くても、どうしてもやらなければならないタスクは多く存在する
それらのタスクは、以下の対応をすると短時間で処理できるので良い
- 必要のないタスクは無くす。残ったタスクのみ対応する(タスクの取捨選択)
- タスクをこまめに取り組むのではなく、時間を決めて、まとめ対処する(メール処理など時間を決めて一気に処理する)
- 毎回の繰り返す作業は、簡単にできるように仕組み化したり、ツールを使って半自動化する
- 誰でもできる作業は、自分の時間あたりの収入と照らし合わせて、自分で実施しない方がコスパが高ければ、他の人に任せる
生産性を上げるためには、「時間」「集中力」「活力」を上手にコントロールしていくことが重要である
これらは互いに関係し合っているので、上記3点を最適になるように行動していかなければならない
週の労働時間が90時間の場合と20時間の場合、仕事の達成度合いに大差がない
4.5倍も働いているのにも関わらずだ
これは20時間という時間の場合、制限をかけたことにより各タスクに締切効果が生まれ、おのずとそのタスクに注ぐ集中力と活力が上昇したこと
逆に90時間とした場合、無意識に十分な時間があると考えてしまい、別のことに気を取られてしまったり、十分な休息時間がなくなり、集中力の低下に伴うミスの増加、そして、そのミスのリカバリー対応と仕事が仕事を増やすという悪循環が起きてしまったことが原因と考えられる
では、何時間労働が最適なのか?
研究報告によると、1週間の理想的な労働時間は35〜40時間で、これ以上働いても生産性が低下してしまう
参考:もっとも生産性が高くなる週の労働時間とは?(ブログ:「パレオな男」より)
上記で、1週間の最適な労働時間を40時間と述べた
では、如何にその40時間の質を高くするか?
そのためのテクニックは大きく3つある
① 一つのタスクを選ぶ。選んだタスクに関連する物以外は全てしまう(目に入らない様にする)
② そのタスクを25分集中して行う。その後、5分休憩をとる
③ このサイクルを4回繰り返した後は15分以上の長めの休憩をとる
気を散らす物がある時、それを行うまで20秒以上かかる場所に置いておく
すると、そのものが気にならなくなる
例:仕事中はスマホを別の部屋に置く、またはカバンの中に入れておく
例:お菓子は棚の奥に入れて、すぐに入手できない様にする
①気が散らず、邪魔が入らない静かな場所に行く
②瞑想時間に合わせてタイマーをセットする(はじめは5分程度から)
③姿勢を正してリラックスして座る。目は閉じるもしくは半眼
④自分の呼吸に意識を集中させ、息を吸うとき、吐くときの感覚に注意を向ける(呼吸をコントロールしない)
⑤注意が逸れたり、気が散ったら、再び呼吸に意識を向ける
活力は、その時の体調や人の性質にもよって変動する
あなたが朝型なのであれば、早い時間に最も活力が上がるし
後の時間に大事な予定が入っていたら、それに間に合うように活力が最大化するだろう
とはいえ、ある程度どのような時に活力レベルが高いのかを把握しておくことで、重要なタスクをその時間で行えば、最大の生産性を生み出すことができる
本書では、この活力が上がる時間を「BPT(バイオロジカル・プライム・タイム)」と呼んでおり、自分のBPTを突きとめる、その時間に合わせて取り組む順番を変えると良いと書かれている
ちなみに私のBPTは、感覚的に朝9時〜11時と昼食後の午後14時〜16時くらいだ
血糖値が一気に上昇しない低GI値(グリセミック指数)の食品を摂取する
低GI食品の例:野菜、果物、ナッツ、食用種子、豆、穀類、魚介、肉など
また、食べるときは、ゆっくり丁寧に咀嚼して時間をかけて食べる
そうすると血糖値の上昇を緩やかにすることに加え、少ない食事量で満腹感を得られる
脳の代謝を上げるためには、水を摂取する必要がある
イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究者たちは、知的作業に集中する前に約0.5リットルの水を飲んだ人は、飲まなかった人と比べて、14%反応時間が速くなることを発見
運動はさまざまな効果をもたらしてくれる
- 脳内物質を放出し、ストレスを軽減
- 血流増加による創造性の向上
- 脳の疲労回復
- 集中力の増加
睡眠時間を1時間削るごとに、少なくとも2時間分の生産性が失われる
なので、頑張って1時間の睡眠を削って仕事をするくらいなら、一層寝てしまった方が生産性を高めることができる
実際に著者が試して効果があったことをまとめており、一定の納得感はある
他の書籍や論文などでも語られているので、本当に効果はあるだろう
私自身も以前より取り組んでいるアクションもあり、その意味でも効果はある
しかし、残念なのがエビデンスが不十分であり、著者の所感で書かれている部分があるので、しっかり論文等でエビデンスを記載してもらえるとより説得力が増して、さらに良質な書籍になるだろう
- 自分にとって価値のあるものを見極める
- 1日の初めに今日すべきタスクを3つ決める(さらに1日の最後に結果を振り返る)
- 週単位・月単位で実施したタスクや成果を俯瞰して進捗を確認する
- 先延ばしにしない(とりあえず始めてみる)
- 自分の未来と今を関連づける
- 気を逸らす物事を遠ざける(20秒ルール)
- 週の労働時間は40時間とする
- 生産性が上がる時間帯(BPT)を把握して、上手く活用する
- タスクを定期的にメンテナンスする
- 重要度の低いタスクは、無くす・まとめる・仕組み化・委任
- 脳に余分な負荷をかけないように、タスクや思考を紙に書き出す
- 何もしない時間を作る
- シングルタスクを徹底する
- 毎日、瞑想を行う
- 血糖値を急激に上げる食事を避ける(ゆっくり食べる・低GI食品を摂る)
- 水を小まめに摂取する
- 毎日、運動を行う
- 睡眠時間は、7時間以上を確保する